内科
高尿酸血症
皆さんご存知のDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)が人間の遺伝情報の保存と発現を行っています。DNA、RNAを構成する成分にプリン塩基(アデニン、グアニン)が含まれているものがあり、これが分解されると尿酸になります。また、プリン体は食事に由来するものもあります。
霊長類以外の哺乳類は尿酸を分解する酵素があるので尿酸を分解することができるのですが、ヒトは尿酸を分解できない運命を背負っています。
したがって体内でいったん結晶をつくった尿酸は分解されません。
血中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症といいます。高尿酸血症は尿酸の産生が過剰な場合や尿酸の排泄が低下した場合に起こります。
高尿酸血症の状態が続くと関節内に尿酸が沈着することにより、足の指や足首の関節が腫れて痛むことがあります(この症状を痛風発作といいます)。
また尿酸が腎臓に詰まって腎結石や腎障害の原因になることがあります。
一方、高尿酸血症は動脈硬化性疾患の危険因子であることが明らかになっています。
高尿酸血症の人はまず、食事の注意が必要です。尿酸のもとになるプリン体を多く含むもの・・・ビール、魚卵などの摂取を控えるようにします。
それでも尿酸値が下がらなければ治療薬を内服します。
ガイドラインよれば尿酸値が7.0mg/dlを超えていて痛風発作や痛風結節(痛風によるしこり)がある場合は薬物療法をします。また、尿酸値が8.0mg/dl以上で腎障害、尿路結石、高血圧などを合併する場合も治療の対象になります。治療中の尿酸値は6.0mg/dl以下に維持するのが望ましいとされています。
痛風発作の場合は鎮痛薬を処方します。血中の尿酸値が変動するのは発作を悪化させたり長引かせたりすることがあるので、発作中は尿酸降下させる薬を開始したり中止したりすべきではないとされています。