内科
帯状疱疹
痛みを伴う帯状の皮疹(紅斑、丘疹、水疱など)が胸部、腹部、頭頚部などに出現します。
原因となるウィルスは水痘(水ぼうそう)ウィルスによる感染です。
かつてかかった水痘のウィルスが再活性化して発症します。
ウィルスは肋間神経などの神経を侵すので、皮疹は片側の神経の走行に沿って帯状に出現します。
皮疹の出現に先立って痛みが出現することがあります。
したがって「原因不明の痛み」の原因が後に帯状疱疹だと判明することもあります。
診断がつき次第、抗ウィルス薬、鎮痛薬を投与します。
抗ウィルス薬の投与は早いほど治療には有効です。
顔や頭に出現した場合、顔面神経麻痺などの重大な合併症が出現することがありますので注意を要します。
帯状疱疹に一度かかった後に再発することは多くはありませんが、ストレスや疲れによって免疫能が低下すると再発することがあります。
水ぼうそうワクチンを接種することにより、帯状疱疹の発症を予防することができます。
2016年から水ぼうそうワクチンについて、「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」という効能が承認されました。
※帯状疱疹予防接種について
2016年から、帯状疱疹予防接種として50歳以上の方に弱毒生水痘ワクチンを接種してきました。
2020年に新しいワクチンの「シングリックス」が発売されました。
ウィルスのタンパクの一部を抗原として作られた組換えワクチン(不活化ワクチン)です。
効果が継続するので米国では生ワクチンより推奨されています。
生ワクチンの場合接種8年~10年で効果がなくなってしまいますが、シングリックスは接種8年後で80%以上の効果があるとされています。
ただし、従来の生ワクチンが皮下注射1回なのに対し、シングリックスは2か月間隔で2回筋肉注射をしなければなりません。
また、シングリックス2回接種で従来の生ワクチン1回接種の約5倍の費用がかかります。