内科
脱水症
脱水症はからだから水やナトリウムなどの電解質が失われる状態です。
水がナトリウムより多く失われた場合、血液の浸透圧が上がるので「高張性脱水」といいます。
発汗が過剰な場合や尿崩症(抗利尿ホルモンの不足など)の場合に起こります。
細胞内から細胞外に水が移動しますので、循環する血液量の低下はあまりありません。したがって頻脈(脈拍が増加する応対)や血圧の低下などは起こりにくい状態です。
しかしながら細胞内の水は少なくなるため、口喝が激しくなります。
通常は飲水することによりよくなりますが、意識障害や口渇感の低下している高齢者などで脱水になります。
水だけではなくナトリウムなどの電解質も失われた場合、血液の浸透圧は変化が少ないかまたは下がるので「等張性脱水」または「低張性脱水」といいます。
嘔吐、下痢、出血、やけどなどで見られる状態です。また、マラソンランナーや麻薬の1種のMDMA使用者などでもナトリウムの低下がみられます。
ナトリウムが水より多く失われると、細胞外の水が細胞内に移動するため循環血液量はより高度に低下します。
そのため血圧の低下や頻脈、末梢循環の障害があらわれます。
脱水症にならないよう、日ごろから水分やナトリウムなどを充分摂取することが必要です。
脱水症で経口摂取が充分できない場合は、点滴等の治療が必要です。