内科
風疹
風疹は風疹ウィルスによる感染症で江戸時代から「三日はしか」という記録もあり古くから知られている感染症です。
主な症状は発熱と発疹です。
感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染で潜伏期間は16~18日です。
感染してからのウィルスに対する治療薬はありませんが、ワクチンで予防することが可能です。
妊娠中の女性が感染すると、先天性風疹症候群といって胎児に先天性心疾患、難聴、白内障などの障害を起こすことがあります。
特に妊娠12週まではそのリスクが高いので注意が必要です。
国立感染症研究所の発表によると、風疹はわが国で2013年に年間14,344人が発症する大流行がありましたが、その後2017年までは年間93~319人しか発症の報告がありませんでした。
しかし、2018年に2,946人の流行があり2019年も9月末までで2,196人の発症の報告があります。また、2019年には先天性風疹症候群も3人の発症が報告されています。
風疹に対する抗体を持っていない人を「感受性者」といいます。
昭和37年(1962年)4月~昭和54年(1979年)4月生まれの男性は、風疹の定期予防接種を受けていないので約20%の人が抗体を持っていない感受性者です(同年代の女性は95%以上の人に抗体があります)。
厚生労働省では「令和2年までに風疹の排除を達成する」という目標で予防接種を勧めています。
2019年から2021年度末までの3年間、これまで定期接種を受ける機会がなかった上記の期間生まれの男性に対して、無料で抗体検査および(抗体価の低い人に対して)ワクチンの接種を行っています。