消化器内科
急性膵炎
膵臓は消化酵素を分泌する外分泌機能と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能を有する臓器です。
外分泌機能の消化酵素には脂肪を分解するリパーゼ、糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシンなどがあります。
これらの消化酵素が活性化して、膵臓自体の組織を消化して障害を起こす病気が急性膵炎です。
本邦における発生頻度は10万人当たり49人(2011年全国調査)で男性に多く、年間増加傾向にあります。
原因としては飲酒によるアルコール性が約30%、胆石が胆管を流れて膵管の出口を塞いでしまう胆石性が約25%です。その他は原因不明ですがウィルス感染などが原因のケースも考えられます。
約90%に腹痛が出現します。上腹部痛が多く、次いで腹部全体の痛みです。
膵臓は背中側にありますので、背部痛が出現することもあります。
嘔気、嘔吐、腹部膨満感が現れることもあります。
炎症の波及により腸の動きが悪くなることにより腸管の麻痺が起こることがあります。
診断された場合は入院治療が基本です。
原因を検索して、充分な点滴をして蛋白分解酵素阻害薬を投与します。
胆石が原因の場合は、胆石を除去する内視鏡的治療や手術をすることがあります。
重症化すると命にかかわることもある恐い病気です。
飲酒をする方は飲みすぎないように注意が必要です。