内科
かぜ
「かぜ症候群」は上気道(鼻~のど)の急性炎症による症状を呈する疾患です。原因の微生物は80%以上がライノウィルス、コロナウィルス(新型コロナウィルスではありません)をはじめとするウィルスです。ときにマイコプラズマや一般の細菌が原因となることがあります。通常は「良性の自然軽快する症候群」とされています。
典型的な症状は、頭痛、鼻水、のどの痛み、咳、発熱などです。
食事や食べ物の制限はありませんので、嘔気などがなく食欲があれば通常の食事をしてもかまいません。以前は「風邪をひいたら風呂に入れない」といわれましたが、消耗しなければ入浴をしても大丈夫です。薬を処方する場合は、かぜに伴う症状を抑える薬を処方する対症療法が中心です。一般的には抗菌薬(抗生物質)の処方は必要ありません。
ただし、かぜだと思っているものの中に重症な疾患が隠されていることがあります。
「かぜは万病のもと」といいますが、これは「かぜをこじらせて合併症を発症する」ということのほかに、「ほかの重症疾患の初期の症状がかぜのような症状であることもある」という意味だといわれています。ご本人が「かぜ」だと思って受診されたものがインフルエンザだというケースは少なくありません。また、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症である場合のほか、腎盂腎炎や食中毒など気道以外の感染症であることもあります。
かぜの場合でも注意深く診察することを心がけています。重症だと判断した場合は、病院にご紹介することもあります。