外科
下肢静脈瘤
血管には、心臓から血液を送り出す経路の「動脈」と心臓に戻る経路の「静脈」があります。
下半身の血液は重力に逆らって、血液を上半身に戻さなければなりません。
そのため、下肢の静脈には逆流を防ぐ弁が何か所も存在しています。
この弁が長年の間に壊れてしまうと、静脈に血液がたまった状態になります。
下腿や大腿の表面の静脈が拡張して蛇行したり、こぶ状に膨れたりします。
これが下肢静脈瘤です。
症状として、下肢がだるい、重い、疲れやすいなどのほか、色素沈着、かゆみなどが起こることもあります。
また、こむら返り(足がつる)の原因のひとつであると考えられています。
女性に多く、加齢に伴って増加するのですが、妊娠、出産をきっかけに発生することが少なくありません。
遺伝的な要素もあります。
職業では美容師、調理師などの立ち仕事の人の多い傾向があります。
軽症の場合は、1日に3-4回横になって下肢を心臓の高さ以上に30分間挙上するなどの治療法があります。
また、治療用の弾性ストッキングを装着して下肢を圧迫する圧迫療法もあります。
症状が強い場合、以前は手術でしたが最近はレーザー治療が行われています。
治療する静脈の中に細い光ファイバーを挿入し、レーザーの熱によって静脈を塞ぐ方法です(静脈を塞いでも、他の静脈を通って血液は流れるので心配ありません)。
1回の処置は30-60分程度で、麻酔が切れたら当日歩行することが可能です。
従来の手術よりもキズが小さく体の負担も少ない方法です。
治療をご希望の方には専門の医療機関を紹介しています。