健診・予防接種
胃がんリスク(ABC)検査
血液検査で胃がんのリスクを調べる検査です。
血液検査で①ペプシノゲンと②ピロリ菌抗体を測定します。
ペプシノゲンは胃の粘膜で産生され、ペプシンに変化して胃内の胃酸の分泌をつかさどります。
ペプシノゲンのうち1%が血液の中に流入しますので、血中のペプシノゲンを測定することにより胃の粘膜の萎縮の度合いがわかります。ペプシノゲンが低値の場合は胃の元気がない、すなわち胃の粘膜が萎縮している可能性が高いと判断します。
胃の粘膜が委縮した状態は萎縮性胃炎(慢性胃炎)で、これは胃がんのリスクの高い状態だといえます。血中のペプシノゲンの値が低いものを陽性、それ以外を陰性と判定します。
ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は胃の中に住みつく細菌で、これが存在すると胃がんのリスクになります。ピロリ菌が存在する場合、多くの例でピロリ菌に対する血中の抗体が検出されます。血中のピロリ菌抗体が検出されるものを陽性、検出されないものを陰性とします。
血液検査で同時に①、②を調べて
①②とも陰性⇒A群・・・健康な胃粘膜
①陰性②陽性⇒B群・・・少し弱った胃粘膜
①②とも陽性⇒C群・・・弱った胃粘膜
①陽性②陰性⇒D群・・・かなり弱った胃粘膜
というふうに分類します。
A群以外は胃の内視鏡検査をすることをお勧めします。
内視鏡検査で萎縮性胃炎(慢性胃炎)の所見でピロリ菌が確認された場合は、ピロリ菌の除菌治療(1週間の内服治療)をお勧めします。
世田谷区では平成28年度からこの検査を実施しています。
40歳、45歳、50歳、60歳、70歳の方に受診票が送られています。