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肛門科

裂肛

俗にいう「切れ痔」です。

排便時に硬い便が肛門を通過する際に肛門が裂けて、出血や肛門の激痛を起こします。
女性に多く、比較的若い年代に発症します。

肛門は排便時に伸展して便を排泄します。
肛門が広がる限界を超えるような硬い便が通過すると、肛門の上皮に損傷を起こします。
通常激痛を伴い、痛みは排便後数時間続くこともあります。
出血は痔核に比べると少ないことが多く、トイレットペーパーに付着する程度です。

慢性の便秘の場合に起こることがほとんどで、便秘症が多くみられる若い世代の女性に多く発症します。
損傷を繰り返すと肛門のキズが硬くなり瘢痕(キズあと)を形成することがあります。
その結果肛門はますます進展しにくくなり(狭くなり)、裂けやすくなります。

長年の経過で
排便時に痛むのが嫌で排便をがまんする⇒便がさらに大きく硬くなり排便時に裂ける⇒瘢痕を形成して進展しにくくなる⇒裂けやすくなる
という悪循環になってしまいます。

治療はまず、便秘を改善することです。
食生活等の工夫で改善できればよいのですが、「頑固な便秘」のことが多いので下剤を使います。
便を軟らかくすることが目的なので、主に酸化マグネシウム等の「非刺激性下剤」を使います。
また、毎日入浴して局所を清潔にするように心がけることも必要です。

良くならない場合は手術をします。
内括約筋の一部を切開して肛門を拡げる手術が一般的です。
瘢痕によって肛門が狭くなっている場合は、皮膚弁を移動する形成手術が必要です。

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