内科
のどの違和感
のどに違和感、異物感、閉塞感などを感じる病気を「咽喉頭異常感症」といいます。
このうち原因となる疾患が存在するものを「症候性咽喉頭異常感症」といいます。
比較的頻度の高い原因は胃食道逆流症です。
胃液が食道に逆流して胸焼けなどを起こす病気ですが、胃液がのどまで逆流するようになるとのどの違和感等の原因になります。
逆流性食道炎(参照)と同様の病態ですので、就寝前に飲食をしないようにする、ベルトなどで腹部を締め付けないようにするなどの注意のほか、胃酸の分泌を抑える薬が有効な場合があります。
このほか、副鼻腔炎、扁桃肥大などが原因であることもあります。
症状の原因となる疾患がない場合を「真正咽喉頭異常感症」といいます。
別名、ストレスなどにより喉の奥に「球」のような何かが当たったような感じがすることから「ヒステリー球」といいます。
ストレスや不安、抑うつ状態が原因で、30歳から60歳の女性に多いといわれています。
ストレスなどによる緊張が食道の筋肉の異常なけいれんを起こし、のどの奥に異常な感覚が生じるといわれています。
また、人間は何も食べなくても常に唾液を飲み込んでいるわけですから、何かのきっかけでのどの違和感を感じるようになると継続して気になるようになります。
実際にヒステリー球の場合は、食べたり飲んだりするときは違和感を感じにくくなる傾向があります。
ストレスなどの原因がなくなればよくなりますが、長く続く場合は半夏厚朴湯という漢方薬や抗不安薬を処方することがあります。
もちろん、症状の原因となる炎症や腫瘍などの疾患がないことを証明することが必要です。