内科
花粉症
花粉症とはご存知のように植物の花粉が原因で、くしゃみ、鼻水、涙、目のかゆみなどのアレルギー症状を起こす病気です。
それぞれの花粉が飛散する時期に発症するので季節性鼻炎ともいいます。
患っている人は意外と多く、日本人の25%が花粉症だともいわれています。
代表的な原因はスギ花粉とヒノキ花粉です。
スギ花粉は2月から4月下旬、ヒノキ花粉は3月から5月末まで飛散します。
花粉症が増えている原因には次のようなことが考えられます。
① スギ花粉の増加
戦後に植林されたスギの木が林業の衰退などの影響もあり伐採されず、大量に開花適齢期をむかえています。また、地球温暖化により夏の日照の量が増えて花粉の量が増えています。
② 排気ガス・大気汚染
排気ガスなどによる大気汚染により、からだの中に外敵に対する抗体ができやすくなります。
また、道路や地面が舗装されると花粉の飛散量が増えます。
③ 食環境の変化・不規則な生活のリズム
高たんぱく、高脂肪の食生活(いわゆる欧米型食生活)や不規則な生活、ストレスの多い生活はアレルギー反応を起こす原因になります。
④ 環境の変化
住宅やオフィスの通気、湿気など環境が悪いとアレルギー反応を起こしやすくなることがあります。
ですから、「自分は花粉症ではない」と思っている方でも、飛散する花粉の量が多い場合や体のコンディションがよくない場合に、ある年から花粉症の症状が出現することはあります。
カモガヤなどのイネ科の植物は早春から初冬までほぼ通年、ブタクサ、ヨモギなどキク科の植物は秋に花粉が飛散します。
花粉を防ぐには次のような事柄があります。
① 天気予報などの花粉飛散情報に注意して、多い日は外出を控える。
② 外出時にマスク、メガネなどを装用する。
③ 洗濯物や寝具を屋外に干さないようにし、干した場合は払い落としてから取り込む。
④ 窓、戸などはなるべく開け放しにしないようにする。
⑤ 掃除を徹底する(特に窓に近い場所)。
治療は基本的には抗アレルギー薬の内服です。効果が少ない場合は点鼻薬や点眼薬を追加します。
内服薬では眠気の副作用が起こることがありますが、1日1回就寝前に内服する薬や、眠気の起こりにくい薬もあります。